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ネットスターズは2026年3月17日、東京・秋葉原にて、アジア市場を中心としたグローバル戦略や、パートナー企業との成長戦略、共創プロダクトの実例などを紹介するビジネスカンファレンス「StarPay Business Conference」を開催しました。ネットスターズのパートナー企業を中心に、約60社、100名以上の方に参加いただき、盛況のうちに幕を閉じました。
当日の様子を前後編に分けてご紹介します。前編では、ネットスターズの事業基盤や今後の方向性のほか、AI、企業間決済、VR×決済のセッションについて振り返ります。

冒頭のキーノートでは、当社取締役COOの長福 久弘が登壇。ネットスターズのこれまでの歩みと、今後の方向性について話しました。
ネットスターズのメイン事業として、さまざまなキャッシュレス決済手段を一括で導入できるマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」、モバイルオーダーやセルフレジで店舗運営のDX化を支援する「StarPay-DX」、急増する訪日観光客に向けた総合プロモーションやSNSを活用した集客施策を支援する「StarPay-Promotion」を紹介。
また、長福は「決済というビジネスは決して一社では成り立たないものだと思っています。多くのステークホルダーが連携し協力し合うことで、初めて価値を届けることができる。だから、私たちはパートナー企業と皆様との共創を大切にしています」と語り、三井住友カードやStripeなど、さまざまなパートナーとの共創事例を挙げました。
今後の方向性としては、①AI、②ゲーム事業、③Web3の3領域について説明を行いました。①AI領域では、2025年から加盟店向けのコールセンターを一部AI対応していることを紹介。②ゲーム事業では、2026年1月に設立した子会社「StarPay-Entertainment」に言及し、スマホ新法の施行によって新たに生まれたマーケットに進出することを語りました。③Web3領域では、「今後多くのチャレンジをしていくマーケット」と意気込みを語りました。

Session1では、業務用掃除ロボットやサービスロボットの研究開発・販売・メンテナンスを行っているアイウイズロボティクスの取締役会長 Thomas氏と、ネットスターズの長福が登壇。
セッション前半では長福より、中国の最先端のテクノロジー都市深圳におけるAI/ロボットの活用事例として、ドローン配送や街中でのロボットの普及が紹介されました。中国ではドローンによる配送サービスが一般的になっており、また街中にあるコーヒーショップではロボットがエスプレッソを淹れ、商業施設の通路では商品を搭載したロボットが巡回するなど、ロボットはすでに“身近な存在”として人々の生活に溶け込んでいる様子が窺えました。

また、Thomas氏はアイウイズロボティクスが日本で提供しているお掃除ロボットも紹介。同社のお掃除ロボットはファミリーマート、ローソンなどのコンビニにも導入されています。なお、ローソンへの導入はネットスターズと共同での取り組みとなります。
「当社のロボット技術とネットスターズのフィンテック技術を融合させることで、社会にポジティブな変革を起こすことができると考えています」(Thomas氏)
セッション後半では、「AIと人の関わり方」が語られました。AIについてThomas氏は「技術、そしてテクノロジーの力を活用して企業の競争力を高めていくことは、AI時代を迎えた今、すべての企業が取るべき戦略だと考えています」と話し、ネットスターズとの連携でもテクノロジーの力によって生産性や効率性の向上を目指す方向性を示しました。
※参考
「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」に掃除ロボットを提供:https://www.netstars.co.jp/news/8332/
Session2では、ビザ・ワールドワイド・ジャパン ディレクター 細谷 淳司氏と、ネットスターズ 執行役員 滝島 啓介が登壇。
冒頭では滝島より、日本における企業間決済の現状について、1,000兆円超とも言われる市場規模でありながら、キャッシュレス決済比率が0.7%であることが語られました。ネットスターズはさまざまな産業を分析する中で、観光のBtoB精算が増えることを予想。海外では宿泊施設とOTA(オンライントラベルエージェント)間の精算でVCN※決済が普及していることから、越境精算を一元管理し現場の業務負荷を削減するVCN決済サービス「StarPay-Biz」を展開してきたことを紹介しました。
続いて細谷氏より、Visaのグローバル戦略について①より良い決済体験の提供、②法人決済のデジタル化、③新たな付加価値の提供、の三つの柱が語られました。セッションでは②の法人決済のデジタル化について深堀され、従来は接待・旅費交通費での利用が多かった法人カードについて、近年は仕入れ・広告費やBtoBでの請求書カード払いの利用が多くなっている点に言及。また、BtoB領域でのVisaカードの導入事例として、コンテナ海運会社ONEおよびグローバルな旅行サービスプロバイダーTrip.com Groupとの取り組みが紹介されました。特にTrip.com Groupとの事例では、「StarPay-Biz」とも連携しつつ、「ネットスターズの知見も借りながら、日本の宿泊事業者の開拓を進めたい」と力強いお言葉をいただきました。

セッションでは、BtoB領域でのキャッシュレス決済導入に関して、サプライヤー側のメリットについても解説。細谷氏は2025年8月にVisaが発表したホワイトペーパー「B2Bカード決済導入の価値、取引から変革へ~アジア太平洋地域の大手サプライヤー調査報告」のデータをもとに、カード決済の導入によりサプライヤーは請求金額に対して5.71%の利益を得られる可能性があると話しました。仮に加盟店手数料を2%とすると、コストをメリットが上回る形になります。なお、5.71%の内訳で一番数値が大きかったのは売上増加だそうです。
※VCNとは、法人向けMastercardクレジットカード(パーチェシング・カード)を親番号として発行されるバーチャル子番号です。VCNは、親番号の与信枠の範囲内で、用途別に1回の取引だけ、あるいは決められた回数や期間のみ利用できるよう複数発行でき、ひとつのVCNに対して「利用可能額」や「利用期間」など、利用の制限や条件を設定することが可能です。ご利用分は一括して、親番号のカード名義に請求されます。
※参考
全旅とネットスターズ、企業間決済のキャッシュレス化に向け戦略的業務提携:https://www.netstars.co.jp/news/8747/
ネットスターズ、東南アジア最大級の旅行予約プラットフォームTravelokaと戦略的提携:https://www.netstars.co.jp/news/8750/
Session3では、NTTドコモビジネス ビジネスソリューション本部 エンターテイメント推進プロジェクトチーム チーム長 箱守 豪氏と、ネットスターズ 事業統括本部 決済事業部 副事業部長 吉田 光弘が登壇し、VR×決済について語りました。ネットスターズとNTTドコモビジネスは2022年にオンラインチケット決済で協業を開始し、以降毎年1〜2件の大型案件を共同で推進しています。2025年にはVR事業の決済領域で協業をスタートし、北海道・エスコンフィールドで開催された「星の王子さま」VRイベントや、国立競技場で実施された「サグラダ・ファミリア」のVR回遊体験では、ネットスターズがチケット販売や物販など、決済全般を支援しました。

ネットワークインフラ領域を中心に、数多くの都市開発案件を支援してきたNTTドコモビジネスは、アリーナ・スタジアムへのICT導入にも対応しています。その中で、施設の稼働率向上という社会課題にも取り組んできたと箱守氏は話します。そこで注目したのが、VRでした。近年、欧米ではe-SportsやVRゴーグルを着けてメタバース空間に行くといった、Location-Based Entertainment (LBE)と呼ばれる新たなエンターテインメントが急成長しています。

箱守氏は今後の展開として、VRを活用して複数の場所からリアルタイム接続できるイベントの開催や、国内IPの海外展開、そしてそうしたエンターテインメントが集まる街として「スマートランド」構想を打ち出しました。
「VR上でも課金してゲームアイテムを買ったり、企業とコラボしてその企業の商品を買うと特別なアイテムがもらえたり、といったことが考えられます。その際に、購買データとアカウントの連携が必要となってくるので、ネットスターズのような決済事業者と協力して、この領域を盛り上げていけたらと考えています」(箱守氏)
後編では、クロスオーバー決済やステーブルコイン決済のセッションをご紹介します。
※記事の内容は公表日時点のものです。