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Alipay+の最前線を取材ー10億人の決済ニーズに対応し、 アジアのインバウンド客を取り込みへ

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入国制限の解除と円安を背景に、日本を訪れる外国人観光客が急回復しています。かつては中国人観光客の“爆買い”が注目されましたが、足元では中国以外の国々からの訪日客の増加も目立ちます。旺盛な消費意欲を持つ彼らの来店を促すツールとして、改めて注目を集めているのが、海外のモバイル決済サービスです。

今回は、中国や韓国、フィリピンなど6か国8種類のモバイル決済に対応する「Alipay+(アリペイプラス)」を提供するアントグループアリペイジャパンの事業開発ディレクター、藤堂泰樹さんに、効果的なインバウンド集客と売り上げアップを実現するAlipay+の活用法をうかがいました

アリペイジャパン株式会社の藤堂さん

旅先ではクレジットカードより重宝されるモバイル決済

――日本国内のお店でも、中国本土の決済サービスAlipay(アリペイ/支付宝)のロゴはよく見かけます。

藤堂さん Alipayは中国モバイル決済市場で50%のシェアを誇る *1中国本土の消費者に最も使われている決済アプリです。日本国内でもすでに150万以上の店舗でAlipay決済が可能になっており、導入された店舗からは中国人観光客の売上や顧客単価が大きく伸びたと好評をいただいています。

なにしろ、中国の人々は自国でも現金を持ち歩く習慣がほぼなくなっており、その多くがQRコード決済に置き換わっています。日本を訪れる際は多少の両替をして日本円の現金を用意はしているようですが、慣れない紙幣や硬貨のやりとりにストレスを感じる人は多く、自国で使い慣れた決済サービスのロゴやキャンペーンポスターが店頭に貼っていると、自然とお店に目が行きます。 クレジットカードも普及はしていますが、為替レートの精算のタイミングがわからないため、その場では出費がいくらになったかがわからない点を敬遠する人もいるようです。QRコード決済ならその場で為替レートが確定するので、その買い物で何元使ったかが把握しやすく、旅先では特に重宝されています。

*1 中国の調査会社analysys.cn「中国モバイル決済市場に関する四半期モニタリングレポート2020年第1四半期」による

中国以外から訪れるインバウンド客にも対応できる

――インバウンド客そのものは急回復している一方で、中国人観光客の回復は遅れているようです。

藤堂さん 中国人観光客の本格回復は時間の問題だと思いますが、すでにアジア地域を中心に、中国以外の国々からの観光客が急増しています。インバウンド客が多いエリアの小売店、サービスの店舗では、こうした様々な国から訪れる観光客への対応を急ぐ必要があります。世界各国の決済サービスに一つひとつ対応していく方法もありますが、実は当社サービスは現在「Alipay+(アリペイプラス)」として、中国以外のモバイル決済にも対応しています。Alipay+を導入するだけで、中国本土のAlipay(アリペイ)はもちろん、中国香港で利用されているAlipayHK、韓国のKakaoPay(カカオペイ)、マレーシアのTouch ‘n Go eWallet(タッチン・ゴー・イーウォレット)、フィリピンのGCash(ジーキャッシュ)、シンガポールのEZ-Link Wallet(イージーリンク・ウォレット)など、世界6か国8種類のモバイル決済がワンストップで可能になります。

Alipay+ パートナーウォレットの日本での導入状況

――Alipay+というひとつのサービスを導入するだけで、世界6か国の決済アプリに対応できるのはとても便利ですね。これらの国々では日本と同様に、スマホアプリによる決済が普及しているのでしょうか。

藤堂さん 韓国や香港はもともと日本以上にキャッシュレスが進んでいます。また、東南アジアの国々では、携帯電話事業者やITサービスを提供する企業間のユーザー獲得競争が激化していることからスマホ保有率も高くなっています。銀行口座やクレジットカードを持たない層も多いので、キャッシュレス決済はアプリが中心です。

――これだけの国の決済アプリに対応できるとなると、お店はもちろん、訪日観光客の利便性は高まりそうですね。

藤堂さん 旅先の慣れない通貨での決済は面倒なので、自国で使い慣れた決済アプリを使えることは、訪日観光客にとっては大きな魅力になります。

しかも、これらの決済アプリの中には、支払いにとどまらず、日本国内でのタクシーの配車や飲食店の予約、乗り換え経路の検索なども可能で、旅先でのさまざまなニーズをサポートしているものもあり、決済以外のシーンでも頻繁に開くユーザーも多くいます。

キャンペーンも実施。販促への貢献も力を入れる

――店舗や企業にとってもAlipay+を導入することで、訪日客との接点が増やせそうです。積極的に来店を促す効果はあるでしょうか。

藤堂さん もちろんです。当社では国慶節や夏休みなど観光客が増えるシーズンを中心に、加盟店すべてで使える割引などの共通キャンペーンを実施しています。最近では、2023年7月に日本国内の加盟店での買い物が最大10%オフになる共通キャンペーンや、福岡市内で主要商業施設と連携したインバウンド・キャンペーンを実施し、期間中の利用額が大きく増えました。

――複数の国のアプリに連携していますが、それぞれの国に向けてなんらかの販促対応はできますか?

藤堂さん Alipay+には販促用プラットフォームがあり、対応する各決済アプリに対して情報を提供できるようにしています。ユーザーがそれぞれの決済アプリにある「Alipay+Rewards(アリペイプラスリワーズ)」というアイコンをタップすると、クーポン等が見られるしくみです。

位置情報を利用するので、日本に滞在中の観光客に絞ってキャンペーン情報を配信するなど、効果的なアプローチもできます。たとえば、韓国からの旅行者に対して販促をかけたい場合、ユーザーが日本到着後にKakao Payアプリを起動してAlipay+ Rewardsのアイコンをタップすれば、日本国内で使えるクーポンを受信できます。旅行者自身が地域を指定することもできるので、出発前に日本で使えるクーポンを確認して、買い物の計画を立てることも可能です。

加盟店はAlipay+ Rewardsを通じて訪日のウォレットユーザーにクーポンを配信することができる

――適切なタイミングでインバウンド観光客にアプローチができるのですね。

藤堂さん お店がAlipay+を導入することでカバーできる各決済アプリのユーザーは、世界で10億人に達しています。Alipay+を導入するだけで、これだけの数の人たちに一気にリーチできるので、そのメリットは非常に大きいと思います。

国内のAlipay+加盟店も以前は小売店と飲食店が中心でしたが、最近はテーマパークやレジャー施設など体験型サービスでの導入も進んでいます。駅の券売機でAlipay+が使えるエリアもありますし、Alipay+で飲み物を購入できる自販機の設置も進んでいます。中国国内のようにアプリを改札にあてるだけで鉄道利用ができる状況まだ実現できていませんが、将来的にはAlipay+が観光客の日本滞在中はもちろん、出発前の旅行計画から帰国後まで、あらゆる行動をサポートできる世界を目指しています。 

――Alipay+でお店のインバウンド対応がますます有利かつ便利になって、訪日観光客の満足度もいっそう高まりそうですね。Alipay+はネットスターズのStarPayから申込、導入の手続きが可能です。お気軽にお問い合わせください。