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ネットスターズは2025年11月、全国旅行業協会(ANTA)の事務受託会社である全旅と業務提携を締結しました。この提携の一環として、12月からは宿泊施設向けの企業間キャッシュレス決済サービス「全旅グローバルペイ」の提供を開始しています。全国の旅行事業者および宿泊施設にサービス提供を行っている全旅、および新サービスである「全旅グローバルペイ」について、全旅 執行役員の中森 万登さんにお話をお伺いしました。
全旅は1973年、ANTAの事務受託会社として設立されました。以来、中小の旅行会社を中心に、さまざまなサービスを提供しています。中でもメインとなっているのが、45年にわたり提供している「全旅クーポン」。「全旅クーポン」は、旅行会社とホテルや旅館などの受入施設の間の精算を一元化する精算システムです。
「中小の旅行会社だと、売掛が難しい場合もあります。そこでわれわれが立替を行い、旅行会社は月1回の後精算ができるという、信用補完的なサービスを提供しています」
「全旅クーポン」は現在、約3,300社の旅行会社、および約1万2,000軒の受入施設が導入しています。旅行会社にとっては「月に1回の後精算」によるキャッシュフローの改善、および多くの施設への送客メリットがあります。また、代金は全旅が100%全額保証するため、受入施設側も安心して利用できるサービスとなっています。昨年の取扱高は約788億円となっており、最近は大手バス会社なども利用していると中森さんは話します。
「月末にまとめて支払えるため、精算業務が非常に楽になります。最近は人手不足の問題もあるので、そういったところを評価いただき、信用補完だけでなく業務効率化の面からも導入いただく機会が増えています」

また、2015年からはクレジットカード決済サービス「全旅ペイメント」も提供しています。当時は加盟店手数料の関係で導入をためらう旅行事業者が多かったため、全旅がカード会社と包括契約を行うことで、導入しやすい手数料率を実現したといいます。また、ランニングコストなどもかからないため、中小の事業者でも導入しやすいサービスとなっています。
利用会員数は2024年度時点で2,900社を超えており、こちらも利用事業者が順調に増加しているそうです。
こうした事業を展開する中で、全旅がネットスターズとともに新たに提供を開始したのが「全旅グローバルペイ」です。「全旅グローバルペイ」は、VCN(バーチャルカード番号)決済を活用することで、海外OTA(オンライントラベルエージェント)と日本の宿泊施設の間の精算業務を省人化・効率化するサービス。ネットスターズの宿泊施設向け企業間決済ソリューションを基盤に、全旅が全国の旅行事業者に提供しています。
VCN決済とは、法人向けのバーチャルクレジットカードで決済する方法で、海外の旅行事業者間ではメジャーな決済方法の一つとなっています。一方、日本の旅行業界では昔ながらの銀行振込や売掛がスタンダードとなっており、インバウンドの取り込みを狙う際に、こうした部分でギャップが生じているといいます。

また、海外OTAとのやり取りには与信の問題もあります。そのため、新たに海外OTAと取引をする際は銀行振込であったり、添乗員が現地で現金決済をしたりといった対応になることも多く、結果としてビジネスの成長機会を逃すことにもなってしまいます。その点「全旅グローバルペイ」なら、旅行代金はVCNが発行された時点で国内クレジットカード会社が保証しており、セキュリティも担保されているため、与信に係るリスクがなく利用できます。
キャッシュレス決済においては、手数料が導入の障壁になることもありますが、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが2025年8月に発表したホワイトペーパー「B2Bカード決済導入の価値、取引から変革へ~アジア太平洋地域の大手サプライヤー調査報告」によると、企業間決済における請求処理や照合作業などのコストは、請求金額の4.7%に相当するそうです。こうしたコストとキャッシュレス決済の手数料を比べると、キャッシュレス決済を導入しても業務コスト削減効果の方が大きくなります。
「全旅グローバルペイ」は、売上があったときのみ手数料が発生するビジネスモデルとなっており、初期投資やランニングコストもないため、費用面でもメリットが大きいサービスです。また、紙やExcelへの手入力で管理している予約情報や支払情報をクラウド上で一元管理できるため、業務の省人化・効率化にもつながります。

「『全旅グローバルペイ』は、インバウンド版の『全旅クーポン』のようなサービスです。『全旅グローバルペイ』を提供することで、観光産業の成長やインバウンド需要の拡大に貢献し、業務効率化やDX化推進により現場の負担軽減を目指します。また、地方のホテルや旅館にも安心してご利用いただけるよう、普及に努めていきます」
ネットスターズは全旅とともに、「全旅グローバルペイ」を通じて日本の観光DXを推進してまいります。
※記事の内容は公表日時点のものです。