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キャッシュレス決済のインフラを手がけるネットスターズと、暗号資産ウォレットアプリ「Bitget Wallet」を展開し、グローバルで急成長を続けるBitget Wallet社。両社は、マルチチェーン・マルチコイン・マルチウォレットを実現することでWeb3とWeb2の金融世界をつなぐゲートウェイ構想「StarPay‑X」の推進に向けて連携を開始しています。
本記事では、日本の一般ユーザーに馴染みの薄いBitget Walletのサービスの特徴や、「StarPay-X」との連携への期待について、Bitget Walletの日本ローカライズを推進しているRegional Growth Manager 諸田 優大氏に、ネットスターズ 事業統括本部 エグゼクティブプロデューサーの張 也が直撃インタビューした内容を紹介します。
※以降、氏名・名称等の敬称略

張:インタビューにあたり、まずは諸田さんのご経歴を教えてください。
諸田:もともとは大学院で化学を専攻していました。卒業後は、コンサルティングファームでプロジェクトマネジメントやデータ分析などに従事していたのですが、そこで当時流行していたNFT関連のプロジェクトに魅力を感じ、Web3の世界に入りました。実験を含めて、新しいものに取り組むことが好きな性分なんです(笑)。2025年にBitget Walletに参画し、現在は暗号資産ウォレットアプリ「Bitget Wallet」の日本へのローカライズを推進しています。
張:化学専攻からWeb3というのは、なかなかユニークな経歴ですね。Bitget Walletを選んだ理由を教えてください。
諸田:ウォレットは、金融でも決済でも、あらゆるシーンの窓口的な役割だと思っています。私が参画した当時、すでに「Bitget Wallet」は多くのグローバルなネットワークに接続していて、色々な事業者やユーザーとも仕事ができる点が魅力で、入社を決めました。
張:なるほど。「Bitget Wallet」のサービスについても教えてください。
諸田:「Bitget Wallet」は2018年に、「BitKeep」という名称で、複数のブロックチェーン上の暗号資産を一つのアプリで扱う「マルチチェーンウォレット」として誕生しました。その後、2023年にBitgetグループからの投資を受け、機能拡張するとともに、「Bitget Wallet」にブランド名を変更しました。現在は、単なる資産管理ツールにとどまらず、DeFiなどさまざまなWeb3サービスを包括する「スーパーアプリ」へと進化しています。
「Bitget」の名を冠していますが、ウォレットは当時から専門のチームが運営しています。暗号資産取引所であるBitget取引所とは法人登記や経営陣も異なり、完全に独立した運営体制となっています。
張:「Bitget Wallet」は、ユーザー自身が資金などを管理するノンカストディアル(自己管理型)ウォレットである点も特徴ですね。
諸田:そうですね。ウォレット側はユーザーの資金、秘密鍵、データの保持や管理はせず、ユーザーが資産を管理しやすいようインターフェースを提供する役割を担います。これにより、ユーザーは取引所などの第三者に資産を預けるリスクを回避できるメリットがあります。

張:「Bitget Wallet」の機能についても教えてください。
諸田:「Bitget Wallet」では、暗号資産の保管、送受信、スワップ(交換)などの基本的なウォレット機能のほかに、DeFi機能も備えています。日本だと、ファーミング(DeFiで暗号資産を運用し、報酬を得る行為)などが人気の機能ですね。
また、海外では現地企業と連携し、QRコードを活用したステーブルコイン決済も実装しています。ネットスターズも羽田空港で、実店舗におけるQRコードを使ったステーブルコイン決済のPoCを実施しているので、今後はこの部分でも連携できたらと考えています。
※参考:1月26日より、羽田空港第3ターミナル内店舗でステーブルコイン(USDC)による決済が可能に
張:世の中にはさまざまな暗号資産ウォレットがありますが、他のウォレットと比較して、「Bitget Wallet」の強みはどこですか?
諸田:「Bitget Wallet」の大きな強みとして、取引コストの圧倒的な低さがあります。ステーブルコインなどの暗号資産をウォレット上で取引する際は、ガス代と呼ばれる手数料が必要になりますが、「Bitget Wallet」では主要銘柄で0.1%、最大でも0.5%程度と、業界最低水準となっています。
通常だと、例えばステーブルコイン「USDC」を送金しようと思ったら、別途「ETH」などのトークンをガス代として用意する必要があります。その点「Bitget Wallet」は、主要チェーンでガス代が無料になるプログラムや、任意のチェーンのコインを他のチェーンのガス代に使えるといったサービスも提供しています。このように、金額面と手間の両方でユーザーコストを軽減しています。
張:クリプト初心者だとそもそもガス代が別途必要なことを知らない人も多いので、利用の大きなハードルになりますよね。当社も羽田空港のPoCではその点を考慮し、ユーザーの手間を減らすためユーザーが決済時に別途ガス代を用意しなくても決済できるようにしました。
諸田:ここは業界全体の課題だと思います。
初心者にも分かりやすいという点でいうと、メールアドレスやApple ID、GoogleアカウントなどのソーシャルIDあれば簡単にウォレットを開設できる点も特長です。Webアプリを使うような感覚でウォレット利用を始められます。
張:現在「Bitget Wallet」はどのくらいのユーザーに使われているのでしょうか?
諸田: 2025年時点でユーザー数9,000万人を突破しました。サービスは主に東南アジア、中南米、中東、アフリカなどで展開しています。当該地域は銀行口座を持っていない人も多く、こうしたUnbanked(アンバンクト)層への金融サービスの提供が大きな社会課題となっています。
我々は「Crypto for Everyone」、全ての人に暗号資産体験を提供するというビジョンを持っています。このビジョンのもと、各国の法規制に準拠しながら現地のパートナー企業と密に連携し、ユーザーが安全に暗号資産を運用できる体制を整えています。

張:今回、Bitget WalletとネットスターズはWeb3決済の普及に向けてMOUを締結しました。我々としては、Web3の領域に踏み出す際に、「本当に使われるのだろうか」と懐疑的な思いもあったのです。その中で、世界で9,000万人以上のユーザーを擁するBitget WalletとMOUを締結できたのは非常に大きな意味があると思っています。この点、諸田さんはどうお考えですか?
諸田:「Bitget Wallet」は海外では既にウォレットのUIにQRコード決済を統合しているのですが、日本ではまだその機能を提供できていません。そこで、日本におけるパートナーを探しているときに、ネットスターズに出会いました。ネットスターズは日本でQRコード決済を中心に、約70万アカウントにキャッシュレス決済を導入している実績があります。今回のMOU締結は、こうした互いの強みとニーズを補完するものだと考えています。
※参考:ネットスターズとBitget WalletのMOU締結発表
張:ネットスターズは今年の4月に、Web2とWeb3をつなぐゲートウェイ構想「StarPay‑X」を発表しました。この構想では、特定のチェーンやウォレット、コインに依存することのないマルチチェーン、マルチウォレット、マルチコイン化をコンセプトに、ユーザーや店舗が複雑な技術を意識せずに利用できる環境を目指しています。
今回のMOUにおいて、Bitget Walletは「StarPay‑X」構想にも賛同いただきましたが、諸田さんは「StarPay‑X」についてどのように感じていますか。

諸田:我々が描くビジョンに完全に一致していると思っています。というのも、Bitget Walletは先ほどお話しした「Crypto for Everyone」に加えて、全ての人にオンチェーン上での金融体験を提供するという、「Everyday Finance」構想も掲げています。「StarPay-X」の、既存のWeb2インフラとWeb3の技術をつなぐというコンセプトは、まさに我々のやりたいことと一致します。
Web1がWeb2に移行するとき、一般ユーザーはそれを意識しなかったように、Web2とWeb3の決済体験も今後自然に融合していくと考えています。「StarPay‑X」はまさにこの融合の部分を担う構想だと思っており、ユーザーがステーブルコイン決済を行うときに、「自分がステーブルコインを使っている」ということを意識せず、日常の決済体験の延長として利用できる。そういった世界観を一緒に構築できる点に、大きな意義を感じています。
張:ビジョンが一致しているというのは、私も感じています。やはりWeb3を理解している加盟店はまだまだ少ないので、導入の際は特別なトレーニングなどがいらないという点が重要です。どんなチェーンなのか、どんなコインなのかといったことを意識せずシームレスに決済ができる、そういった世界をBitget Walletと作っていきたいですね。
諸田:今回のMOU締結では、暗号資産全体のイメージアップという、より大きなレイヤーでも効果があると思っています。日本ではいまだに暗号資産に対して、「よく分からない怪しいもの」というイメージを持つ人が少なくありません。ただ、グローバルでは2025年のステーブルコイン取引額が約50兆円に達するなど、金融資産としての価値が高まっています。日本でも暗号資産を金商法に組み込む閣議決定がされるなど、暗号資産は正式な金融商品になりつつあります。
こういった流れの中でネットスターズと協業することにより、実際の店舗での決済ユースケースを提示できると、暗号資産業界全体のイメージアップにつながると思います。そのために、我々もユーザーに分かりやすいUIを提供して、ストレスのない決済体験を実現していきます。
張:我々の目線では、将来的に「StarPay-X」と「Bitget Wallet」の連携が実現すると、約9,000万人の「Bitget Wallet」ユーザーが日本の実店舗で決済を行えるようになります。これは日本の加盟店にとって、新たな購買層の取り込みにもなります。
諸田:当社としても、ネットスターズが持つ約70万アカウントの加盟店網にアクセスできるようになる点は非常に期待しています。
張:ありがとうございます。他にネットスターズとの協業で期待している部分はありますか?
諸田:新しい金融を介した決済体験を共創できたらと思っています。例えばNFTや地域コインを活用した地方創生などですね。ネットスターズは「かながわPay」や「なはんちゅPAY」で、地域のユーザーにポイントを届ける取り組みも推進しています。その取り組みにブロックチェーンを組み合わせることで、地域コミュニティのつながりを強化したり、地域経済の活性化に貢献することができるのではと考えています。
張:私としては、クロスボーダー送金なども検討していけたらと思っています。ステーブルコインを使えば従来よりも低コスト・高速な送金も可能になります。例えば我々のtoBの顧客と、Bitget WalletのグローバルなtoCのユーザーをつないで送金できるような仕組みが作れると、よりWeb3決済が広がるのではと考えています。